情報電子システム工学科トピックス

若井教授が本を出版(情報電子システム工学科)

2013-08-26

若井教授が本を出版

情報電子システム工学科  情報電子システム工学科の若井教授が、日刊工業新聞社から「トコトンやさしい無線通信の本」を出版されました。図や計算式の解説が漫画入りで大変分かり易い構成になっています。
 放送のハイブリッド化、SNSなどの通信メディアの最先端を分かり易く解説しています。若井教授は地デジや衛星放送の設備・設計・開発がご専門であり多くの現場経験から実践的技術の要点をピックアップされました。コラムも興味深い内容が書かれています。電波工学や通信工学の基本となるアンテナや電波伝搬ついての理解を深めてくれるものと思います。教授からは、早速第2弾を無線による測定技術を新しい切り口で執筆されるとお伺いしています。

出版にあたって

 電波と通信の本を書くことになったのは、私がNHKで放送設備の技術者であったということと、大学で教鞭を執るようになったことが理由かもしれません。 放送のデジタル化も2011年7月には本格的に始まり、従来のアナログテレビ放送はなくなりました。アナログテレビとともに仕事をしてきた身としては一抹の寂しさもありますが、放送のインタラクティブ化、高品質、多チャンネル化やデータ伝送の付加など、従来にはなかった新しいサービスが山ほど提供されるようになりました。それらに加えて、携帯電話からスマートフォンへ、そしてタブレット端末を持ち運んでユビキタス通信環境を享受しているのが現代の人々ではないかと思います。
 私の生まれた時代はアナログテレビが始まった頃でした。画面の大きさが1インチ1万円の時代です。テレビは、お父さん達の1年分の給料で14インチのテレビがやっと買えるか買えないかの高額製品でした。現在の薄型LCDのテレビの出始めの頃もやはり、1インチ1万円とするかどうかの議論があったように思います。しかし今の1万円と1950~60年代の1万円では全然のスケールが異なります。また最近では、4Kや8Kの超高画質放送の技術が展開しています。
 先日、昨年のロンドン五輪の映像を8Kで観ました。臨場感には驚くばかりでした。3D放送も実際のBS放送では提供されています。またハイブリット放送というものもあります。電波によるメインの放送サービスにインターネット通信によるコンテンツ配信を融合したものです。
 従来のアナログテレビ放送の跡地利用は、移動体通信に道を譲ったかたちとなりました。VHFやUHF帯のテレビ放送の周波数は電波伝搬の良い帯域です。これがプラチナバンドといわれる所以でもあります。移動体端末で放送サービスも受信することができますし、高速度・大容量化に技術に拍車がかかります。第4世代から第5世代の通信のスキームも進展しています。情報発信を個人が行える時代でもあります。その中で情報の持つ信頼性にも注視していくことが求められます。ツイッターやフェイスブックなど、みんなが活用できる時代です。最近のテレビ番組ではツイッター情報をテレビ画面の下部にスクロールしているものもあります。またツイッター情報を集めて、市民の要望を捉えて社会の動向を把握する処理ソフトも開発されています。このようにソーシャルメディアなどの情報を分析することで、ビジネスに応用されるようになりました。WiFiやブルートゥースなども比較的狭いエリアでの無線通信に活用されています。無線技術は紐がないので、移動や操作性に優れています。放送や通信の無線応用はますます広範囲に、ますます高速・大容量化に向って行くので興味は尽きません。

2013年8月

若井 一顕